BREITLING NAVITIMER

パイロットウォッチで有名なブライトリング社のナビタイマー。

某ＳＮＳで友人のＫさんがここの時計のオーナーであったことから、久しぶりに所有しているブライトリング製のクロノグラフを持ち出してきて写真に収めて見た。

BREITLING Navitimer Ref.806
1952年に発売された初期型に対して３世代目にあたるモデル。
先代に比べて白抜きのスモールダイアルが少し大きくなっているのが特徴。初期型はスモールダイアルが文字盤と同じ黒色であり、中古市場でも今なお人気が高い。２代目およびこのタイプも機能的には初期型となんら変わりがなく、中の機械もコストダウンによって仕上げこそ粗くなっているものの、高性能なヴィーナス１７８手巻きムーブメントが使用されている。もちろんコラムホイールによるクロノグラフ制御機能を備えている。

1970年代に日本のクォーツショックによって一時倒産寸前に陥り、全ての機械式クロノグラフの生産を止めてしまう以前の古いナビタイマー Ref.806である。

ブライトリングのお家芸であるクロノグラフを搭載しているほか、特徴的なE6B回転式円形計算尺をベゼルに装備し、航空機のフライトプラン作成に欠かせない平均速度や燃料消費率の計算を行うことができる。（と言っても関数電卓が普及する前まで普通に使われていた計算尺と同じであるが。）

内部のヴィーナス１７８手巻きムーブメントはまだまだ綺麗で、毎秒５振動のロービートで今でも正確な時間を刻み続けることができ、ピラーホイールで制御されるクロノグラフ機構も全く問題なくスムーズな動きを維持している。

ただ、見た目のごつさに対してケースや裏ブタなどは薄く華奢に仕上がっており、実際思いのほか軽い時計であるのだが、反面それ故に防水性は最初から確保されていない（つまり非防水なのだ）ため、製造後３０年以上も経っていることから外装などはかなりガタがきている。

さすがに日常使いするにはちょっと厳しい状態だし、僕の場合は更に防水性が必須なので、この時計に関しては時々ゼンマイを巻いてやるほかはフィールドに持ち出す機会は限られている。

売却したところで大して値段がつく訳でもないだろうが、あくまでも個人的な懐古趣味として見たとき、この時計には、当時実際に使用されることを前提にデザインされた本物の道具としての趣を感じる今日この頃である。