吸入式に拘った訳
儀式。
これがやりたくて吸入式に拘ってみた。
昔はこんな儀式があることも知らなかったし、コンバーターの意味も判らなかったが、昔のNoblesseやPakerを使うにあたって万年筆のことを調べる内に、吸入式が本来の万年筆の姿で、今でも吸入式に特化した万年筆を創っているメーカーがあることも知った。
そう言えば、昔、父親の仕事机にこんなインク瓶があったような気がする。
昔はこう言うのが普通だったのであろう。
で、改めてカートリッジ式のNoblesseなどを見てみると、確かにインクカートリッジを差し込むだけで使えるので大変便利であるが、胴軸を外したその姿はなんと言うか、ガス式ストーブのヘッド部分だけのような何とも味気のない姿で、Optimus Svea 123Rのような、タンク一体型の液燃ストーブのような味わいとはほど遠い。
なので、吸入式機構が一体となったペンを探してPelikanに行き着いた。
ピストン式インク吸入機構が見えないがそれはまぁご愛嬌。
そして、本来の使い方である書く行為のためには先程の儀式が必要な訳だが、これも面倒ということではなく、Svea 123Rのプレヒートや、手巻き時計のゼンマイ巻き上げと同様に、その儀式自体を愉しめるのが単なる筆記具ではない、趣味の世界に共通した嗜好品の持つ味わいのよう。
一日一回の時計と違い、今時の使い方なら、一度充填したら暫くこの儀式をすることは無いが、その儀式自体はゼンマイ巻き上げと似た感覚。
「底無し沼」とも言われる筆記具の世界、恐ろしいので深入りしないようにしなければ。
クリップがペリカンの嘴になっている。(今まで知らなかった)
下手くそだがイラストっぽいのを書いてみた。
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