collapsible kayak
folding = "折り畳み"ではなく、collapsible = "折り畳み可能な" kayak。
Feathercraftの創設者であるDouglass E Simpson氏が1978年にUSPTOに特許出願した発明の名称で、後の1981年に公開され、同時に発売された初代K1のベースとなるfolding kayakに関する発明。
特徴は、分解されパーツ状となったコクピット周りのフレームが他のバウ&スターンのフレーム、クロスリブ、シートスリングなどと有機的に組み合わされ、丁度バックパックに収まる背負子のような形状となることである。
初代K1の特徴であるアルミパイプでモノコック構造となったコクピット周りのフレーム。
キール部分が蝶番のようになっていて左右のフレームを中央に寄せることができる。
横向きにしたコクピット周りのフレームに、バウとスターンのフレームやクロスリブなどを有機的に組み合わせて背負子のような形状に。
背負った時のイメージ図。
実際にはこの他にスキンを収納する必要があるが、カヤックのフレームをそのままバックパックのフレームとして利用する発想がとてもユニーク。
当時の、と言うより現在でも、Feathercraft以外のfolding kayakは、折り畳むことは出来ても、スキンとフレームは別々に収納せざるを得ないなど、畳んだカヤックを現実的に一人で持ち運び可能な大きさと形状 - 特にバックパックの形状!! - に収納できるものはほとんど無いと言って良い。
昔読んだ日本のアウトドア雑誌のインタビューで、ダグ氏は「折り畳めることは付加的な機能でしかない」と言っていた記憶があるが、少なくとも78年の出願時には折り畳んだ後の運搬性をも考慮して軽いアルミフレームを使った実用的なカヤックを現実のものにしようとしていた事が伺える。
実は、ダグ氏はこの後にアルミパイプでできたfolding chairという特許出願もしていて、アルミフレーム構造についてかなり熱心に開発していたことも伺える。
Feathercraftを創設する前は様々な仕事をしていたというダグ氏だが、独学でこうしたエンジニア技術を習得したことからも、素晴らしい才能を持った人だという事がよく分かる。
残念ながら自分は初代K1のオーナーではないので、折り畳んだ後のフレームがバックパックになるのかどうか確認できていないし、その善し悪しも判断できないが、改めて初代K1の当時の革新性に想いを馳せてしまうのである。
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