ウルトラライトカヤックへの思い... CODE NAME : Wisper
Wisperと言うと、2005年に発表されて以来、XPモデルも含めてFeathercraft Kayakのシングル艇の中で最も人気が高かったカヤックである(と思う)。
それまでシングル艇と言うと、K1, Khatsalano, Kahuna(K-Light)の3(4)艇しか無かったが、国内の某スペシャリストの意見が強く反映され、ラダーを取り払ったシンプルな作りながら、グリーンランドタイプのKhatsalanoの運動性に組み立てやすく初心者にも扱いやすいKahunaの軽量、軽快さを取り入れた新しいコンセプトで市場に登場し、その後KahunaかWisperか?で悩む人を数多く生み出した名艇の一つである。
ただ、実は自分の中でWisperと言うと別のKayakを思い浮かべてしまう。
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もう10年以上も昔のことなので記憶も曖昧になっており、もしかしたら間違っていることもあると思うが、Wisperと言うネーミングのKayakは、2005年に現在のスタイルで登場する2年も前から当時日本で開催されていたFeathercraft meetingで参加者限定で紹介されていた開発中の新艇のコードネームとして使われていた名前である。
その頃のCODE NAME : Wisperは、全長3.98m, 全幅63.5cmと当時廃盤だったK-Lightや最終モデルのKurrentと同じディメンジョンであって、既にBuilt-in-coamingとサイブレイスバーは採用されていたものの市販バージョンのWisperとは全く似ていなかった。
むしろスタイルとは別に、2003年秋に初めて紹介された時にはフレームがチタン製であったり、翌2004年秋ではフレームはアルミ製に戻っていたもののスキンも含めて全体に軽量化されていたりして、どちらのモデルも約10kgと言うウルトラライトなカヤックとして紹介されていた。
当時はまだ開発中と言うこともあり、参加者には箝口令が敷かれていたので他人には口外できなかったが、個人的にはかなり衝撃的であった。
だがもうFeathercraftは生産終了だし時効だと思うので...

デッキセンターがファスナーで開閉するタイプのチタンフレームバージョン。
既にBuilt-in-coamingとBracing Barsが採用されている。
2003年若狭常神でのFeathercraft Meetingにて。

約10kgと言うウルトラライトなカヤックは片手で楽々と持ち上げることができた。
2004年奥松島月浜でのFeathercraft Meetingにて。
まだ日本ではウルトラライトと言うコンセプトが根付いていなかったことや、フレームやスキンの強度や耐久性に対する不安などが先行し、加えてK-Lightと同じデザインと言う点でインパクトに欠けたせいか、自分も含めて参加者の多くは実際に買いたいとまでは思えなかった。
こうした参加者や日本のA&Fディーラーのプロからのインプレッションを受け、その後2005年に市場投入されたWisperは、軽量化と言うより運動性能を重視したよりスタイリッシュなカヤックとなり爆発的な人気を呼んだが、ライトスキンモデルでも14kgと開発時の10kgより重くなってしまい、そのライトスキンモデルも結局1年で終了してしまった。
ただ、デザイナーでもある創業者のDoug Simpson氏自身はシーカヤックとしては短い約4mと言う艇長の持つ可能性を信じ、約10kgと言うウルトラライトなカヤックへの探求を捨ててはいなかったようで、2008年にまずK-Lightを復活させ、Wisper登場の7年後の2012年に遂に重量10kgを切るKurrentを市場投入させた。

K-light(コーデュラナイロン製)と最終モデルのKurrentの2 shot。
バウの形状やコクピットの大きさなど微妙に変更点があるが、基本構造は殆ど同じ。
K-Lightも十分に軽いカヤックだが、Kurrentは約10kgと言うウルトラライト級。
だが、今年実際にKurrentを所有して見て思うのは、当時2003/2004年のFeathercraft meetingで見たCODE NAME : Wisperの軽量化への拘りが確実にKurrentに受け継がれていることだけは確かな気がする。
今更ウルトラライトと言うのも少し気恥ずかしい感じではあるが、Dougさんの思いが詰まったKurrentも末長く愛着を持って使っていきたいと思う。
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